任意整理は借金額がいくらから利用できるのか
1 任意整理が利用できる借金額の考え方
結論から申し上げますと、任意整理を利用できる借金額については、法律上の明確な上限や下限はありません。
もっとも、実務上は、債務者の収支状況や債務額との関係から、任意整理による解決が可能であるか否か決まるため、結果として利用できる借金額には相対的に一定の目安が生じることがあります。
任意整理は、弁護士が貸金業者等と直接交渉を行い、返済条件を見直すことで、毎月の収入の中から無理なく分割返済できることを目指す債務整理の方法です。
一般的には、残債務の元金と遅延損害金の合計額を、36~60か月程度の期間で分割返済する内容の和解を目指します。
以下、借金額が大きい場合と小さい場合のそれぞれについて、任意整理との関係を説明します。
2 借金額が大きい場合について
任意整理では、一般的に、残元金と遅延損害金の合計額を3年から5年程度(36回~60回程度)で分割返済する内容で交渉が行われます。
そのため、任意整理が可能かどうかは、借金の金額と、債務者の方の返済原資、すなわち月々の手取り収入から生活費を差し引いた残額を比較して判断します。
例えば、借金額が600万円であった場合、60回の分割払いにしても月々の返済額は10万円となります。
36回払いの場合には、月々の返済額は約17万円となります。
このような金額を安定して返済できるのであれば任意整理も可能です。
ただし、一般的な給与所得者の場合、毎月これだけの返済原資を確保することは容易ではありません。
仮に借金が高額で、任意整理では返済計画を立てることが難しい場合には、自己破産や個人再生など、より大きな減額効果が見込まれる手続きを検討することになります。
3 借金額が比較的少額である場合について
一方で、借金額が比較的少ない場合でも、任意整理の利用が適さないことがあります。
例えば、借金額が20万円の場合、60回払いにすると月々の返済額は約3300円になります。
一方、貸金業者等によっては、任意整理後の月々の最低返済額を設定していることもありました。
仮に最低返済額が5000円とされている場合には、分割回数を40回以下にする必要があります。
また、もともとの返済額が月5000円程度であった場合には、弁護士費用をかけて任意整理をしても、月々の負担が大きく変わらないこともあります。
もっとも、将来利息がカットされる場合には、任意整理によって最終的な返済総額を減らすことができる可能性もあります。
このように、任意整理には法律上の借金額の制限はありませんが、実際には借金額や返済能力によって、任意整理による解決が適しているかどうかが決まってきます。
そのため、ご自身の状況に合った債務整理の方法を検討するためにも、弁護士に相談して具体的な見通しを確認しましょう。


























